「過去のことを話さないといけないのですか?」
カウンセリングを受ける前の方から、
あるいは
カウンセリングを受け始めた方から、
時々、このような質問をされます。
せっかく苦しみから抜け出したい、とか
変わりたいと思って
カウンセリングという自分と向き合う場を
持つことを決心していても、
不安やいろんな気持ちが出てきてしまうのは、
自然なことですよね。
まず、上の質問への答えとしては、
そんなことはありません。
過去のことを詳細に話さなければならない・・
全てを言わなければ良くならない・・
こう思っておられる方も少なくない
かもしれませんね。
けれど、決してそんなことはありません。
もちろん
できるだけ色々なことを
カウンセラーに知っておいてもらわないと!
と思う方もおられるでしょうし、
心づもりしていなかったけれど、
話し出したら止まらなくなって・・
という方もいらっしゃるでしょうね。
そのような時、じっくり聞かせてもらうことも
もちろんあります。
けれど、いつもそうすることが良いとは
限りません。
私自身はカウンセリングでは
まずは、
今感じていることを大事に見ていく
ということを意識することがあります。
なぜなら、そうすることで
過去のことを詳細に話さなくても
回復されることはあるからです。
世の中には多くの癒し手がいて
いろいろな考え方やアプローチ法が
ありますので、
中には
初回からこれまでの人生の流れを詳細に尋ねる
カウンセラーやセラピストもいると思います。
一概に良い悪いはないと思います。
ただ、
とても苦しい体験を話したことによって
終わってから
”知られてしまった”という
恥のような感覚に陥ったり、
ひどい場合はフラッシュ・バックが出たり
調子を崩すこともあります。
だから、私はクライエントの方の状態を見ながら
「今はそのお話は少しやめておきましょうか」
と、
一旦、お話を止めることもあります。
実は
私自身も過去に経験があるのですが、
カウンセラーにがんばって話した後、
“話してしまった。
きっと、こう思われただろうな・・”と、
いろいろな想像が動いてしまうのです。
そういう時は
ちょっと無理して話をした時でした。
もしも、あなたがカウンセリングの中で
ちょっとこの話はしづらいな・・
と感じることがあれば、
そのままをカウンセラーに伝えても
大丈夫です。
やっぱり、安心して受けられることが
一番大事ですよね。
安全・安心な場を一緒につくるためにも、
どんなに些細なことかな、と思うことでも
伝えてくださいね。