健全な愛着を取り戻すカウンセリング

私たちは誰もが

この人生の始まりに

 

養育者(多くの場合、母親)とつながることで

生き延びてきました。

 

こうした人と人の絆のことを

「愛着」と呼びます。

 

愛着を形成するのは母親との間だけではなく、

父親や祖父母、保育園や幼稚園の先生など

たくさんの人達も同様です。

 

この愛着形成がうまくいかないことで

大人になってからも生きづらさを抱える

愛着障害。

 

今回は、「健全な愛着を取り戻す」という

テーマでお伝えしていきます。

 

ーーーーーーーーー目 次ーーーーーーーーー

 

1.愛着が重要な理由

①自尊心に多大な影響を及ぼすから

②安全基地となるから

③将来に影響するから

④身体の健康を損なうから

 

2.健全な愛着とは?

ー5つのメッセージー

 

3.子育て中の方へ

 

4.愛着が脅かされる時
ー愛着障害3つのタイプー

 

5.健全な愛着を取り戻すための3つのポイント

①神経系の視点を活用

②パーツたちを知る

③セルフ・ケアを実践する

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1.愛着が重要な理由

①何より、その人の自尊心に

多大な影響を与えるからです。

 

自尊心を育まれるからこそ

 

私は愛される

私は価値がある

私は大切な存在だ

 

そう感じることができます。

 

 

これって、本来は誰もがそうであるもの。

 

そして、生きるための土台となるものです。

 

 

②2つ目は、愛着が安全基地となるから。

 

1~2歳くらいの子どもが

親から離れて周囲を探検してみて

 

何かビックリしたり、不安になると

ダ~っと養育者のところに戻ってきて

しばらく養育者にくっついて

 

安心できたら、また探索しに行く。

 

そのような姿を見たことが

あると思います。

 

 

あれは、養育者が安全基地に

なっているということ。

 

この世界に飛び出して行って

色々な体験をするために十分な

 

”セキュリティ”を育んでもらって

いるのですね。

 

 

③3つ目に、将来に影響するから。

 

安定した愛着を得られた子どもは

様々な能力が高まるという研究結果

があります。

 

情緒的な柔軟性

社会性、ストレス耐性、

学習など認知的な能力

チャレンジする力

 

生きていくうえで大事なものばかり

ですよね。

 

 

反対に、不安定な愛着は

 

情緒的な固さ

友達関係を築くことの困難

注意力欠如

他者の心を理解することの困難

 

などにつながることを

多くの研究が示しています。

 

 

 

養育者が機能できないのには、

色々な理由がありますね。

 

例えば

養育者が抑うつで苦しんでいる場合。

 

子どものお世話が十分にできなかったり

笑顔で接することも難しくなります。

 

他にも

お酒とか、何かに依存しているというのも

そうです。

 

 

あるいは

子ども、大人、どちらか

あるいは両方に発達障害がある場合。

 

例えば

情緒的な交流が難しいとか

子どもの目線で柔軟にかかわれないとか。

 

発達特性が影響することで

愛着が形成しにくくなることもあります。

 

 

 

④4つ目は、身体の健康に影響するから。

 

不安定な愛着を身に着けた子どもは

ストレスによって分泌されるコルチゾールの

値が高い、という研究結果があります。

 

コルチゾール値が高いと

不安や抑うつ、その他の精神的健康を

損なうことにもつながります。

 

神経系や免疫系の働きにもダメージを

残すことも分かっています。

 

 

愛着が心と身体にそれほど影響するなんて

養育者の責任って、大き過ぎる~!

背負いきれない~!

 

 

子育て中の方は

重く感じる方もいるかもしれません。

 

それは、私も分からないことは

決してありません。

 

 

たしかに、子育ての喜びや楽しさよりも

大変さを強調されることが多いかもしれません。

 

日本では「ワンオペ育児」と言われるような

似たような状況で子育てしている人が

たくさんいると思います。

 

 

「産んだ人だけが大変になる」

 

以前、ニュースで一人のお母さんが

暗い顔で話していました。

 

私も一人の母親としては

共感する部分もあります。

 

一方で、こうした悲しい現実を生み出す

日本の色々な構造や価値観に

怒りを感じる部分もあります。

 

 

ずっと、子育て支援が叫ばれながら

日本の母たちが幸せに子育てしているとは

言い難い現実があるのではないでしょうか?

 

愛着のことを言うなら

社会のことも同時に言う必要が

ありますね。

 

 

ただ、もし、純粋に子どもだけを見たら

めちゃくちゃ笑いをくれることもあるし

 

大人よりも直観力が優れていて

大人に気付きをくれることもあります。

 

 

子どもはだいたい大人の嘘やごまかしに

気付いていませんか?笑

 

 

それに、子育てすることで

世界が広がったり

養育者自身の成長にもつながるとも

思っています。

 

 

2.健全な愛着とは?

ー5つのメッセージー

 

シンプルな言葉でお伝えすれば、

 

あなたのことが大好き。

あなたがいてくれて嬉しい。

ちゃんと見守っているよ。

あなたの気持ちやニーズは大事だよ。

あなたを尊重しているよ。

 

これら5つのメッセージが

分かりやすいと思います。

 

書いているだけでも、喜ばしいです笑

 

 

これらのことを子どもが内在化

(取り込んで自己のものとする)

していくことで、

 

愛着は育まれていきます。

 

 

そうするために、育児を通して

色々なことが必要になってきますね。

 

身体的なニーズ、

心理的なニーズに応えること。

 

例えば

お腹が空いた、喉が渇いた、おやつ食べたい

眠たい、痛い、悲しい、悔しい、腹が立つ、イヤ!…

 

 

これらのニーズに対して、

アチューンメント(attunement)をしながら

応えるということです。

 

アチューンメントというのは、

「同調」とか「調和」という意味ですが

声のトーンとか表情を合わせていく

そんな意味です。

 

例えば

 

お母さんが睨みつけながら

食事を投げるように出されたとしたら

子どもは恐くて食べたくないですね。

 

あるいは

 

いつも面倒くさそうな顔で

布団でトントンしてもらっても

なんだか安心して眠れないですね。

 

逆に、罪悪感を感じてしまう。

 

 

大人がある程度、

ある程度ですが、

 

健康で落ち着いている。

笑顔で韻律のある声で話しかける。

 

この

 

まなざし

韻律のある声

 

というのは、

 

愛着を語る上で

実はとても重要なものなのです。

 

 

最近は、保育の現場からも

色んなニュースが出るようになりました。

 

事件にまではならずとも

笑顔で幼児に意地悪を言う先生も

いるらしい…。

 

 

大人が見てもコワイと思います。

 

 

あるいは

 

子どもには上手に接していても

大人同士の関係になると

 

平気で人を傷つけることを言うとか

 

色々、耳にします。

 

 

そうした現場も、単純に、

その先生のせいというよりも

社会的な前提から見直していく必要も

ありますよね。

 

 

でも、子どもたちが犠牲になっている現実は

やっぱり心が痛みます。

 

 

3.子育て中の方へ

 

子育ての悩み、家庭の悩みを抱えている

方は少なくありません。

 

このブログもそうですが、

本やネット記事の情報に触れていて

 

何かちょっと辛いな…

責められているように感じる…

 

そんな方は少なくありません。

 

読んで辛く感じる、というのも

一つの大事なメッセージだと思うのです。

 

 

あるいは、あなたが、もし、

何らかの親子関係、夫婦関係

などの傷や痛みに

気付いている場合も

 

焦らず、ゆっくり

進んでいきましょう。

 

 

 

また、書いてある内容が

完璧に出来ていないと感じて

落ち込まなくても大丈夫です。

 

 

私だって完璧になんて

出来ていません(笑)

 

 

むしろ、失敗もたくさん

しています。

 

 

あえて外国の情報から書けば

 

イギリスの小児科医ウィニコットの言葉に

Good Enough グッドイナフ

というものがあります。

 

 

必要にして十分な

 

と、訳してあることが多いです。

 

 

程よくできていたらOK

ということですね。

 

 

時には、子どもの感情や欲求に

応えられないことがあるのは

ごく普通のことです。

 

 

完璧というのは

人間にはありませんから

 

子育てを完璧にやろうとすればする程

色んな問題が起こるようになっています。

 

子どもの心身に不調が出たり

親の心身に不調がでたり…

 

 

このウィニコットという人は

ある本の中で

 

「母親たちは人間以上のものでは

決してありません。完璧さは何の

意味もないでしょう。」

 

と書いています。

 

 

なんてシンプルで分かりやすい!

 

…そうだよね、と

妙に納得します。

 

特に、はじめの文言に(笑)。

 

 

それから、日本での子育てって

結構、要注意だと私は思っています。

 

今は、もう少ないことを願いますが

日本のいわゆる「母性神話」は

男性や父親の中だけでなく

 

女性や母親の中にも

浸透していたのが恐いです。

 

この母性神話は

ここでは詳しく述べませんが

政治的な背景から作られたと

言われていますよね。

 

それが、無意識レベルに根強くあって

完璧に子育てすることが母としての役目だと

頑張った結果、

 

子どもが息苦しさから様々な不調をきたす。

 

そうした歴史がありましたし、

今もなくなってはいません。

 

 

神話と関係あるかどうか分かりませんが

色んなことを丁寧に、きっちりやる。

 

あるいはやらなければならないと思う

お母さんは結構いるのではないでしょうか。

 

 

 

4.愛着が脅かされる時
ー愛着障害3つのタイプー

 

何らかの理由で、この愛着形成がうまくいかないと

愛着障害と呼ばれる現象につながります。

 

これは医学的診断ではありません。

 

自分(セルフ)という感覚や、

感情調整の困難さ

人間関係の持ち方や

物事や世界への態度、等

 

様々な生きづらさのことを指しています。

 

愛着障害にはいくつかの型があり、

主に、不安型、回避型、非定型

の3つが挙げられます。

 

簡単に説明していきますね。

 

一つ目は、不安型愛着

 

一言で言えば

「良い子」「かまってちゃん」

でしょうか。

 

「とらわれ型」と呼ばれることも

あります。

 

相手の顔色に敏感で

嫌われ不安、見捨てられ不安を

抱えています。

 

気持ちが分かってもらえなかったり

ニーズが満たされないと

 

素直に表現できず

不機嫌になったり敵意を表します。

 

 

養育者はすごく拒絶的な訳ではありませんが、

愛着が安定するほどには

子どものニーズに応えられないのです。

 

 

二つ目は、回避型愛着

 

求めてもほっておかれたり

傷つけられたりした体験から

 

自分の気持ちやニーズを

抑えていることが多いです。

 

誰かと親密になりそうな場面では

面倒くささや恐れを感じ

一人でいることを選びやすいです。

 

安定型や不安型の人のような

信頼や親密性というものよりも

どこか表面的な感じがするかもしれません。

 

 

大人になってからも

自分の感情を把握するのが苦手な人が

多いです。

 

相手の言葉のニュアンスとか

そういった微細な部分に気付けなく

なったりということもあります。

 

 

三つめは、非定型愛着

 

ある一定のパターンが見られず

一つ以上の愛着型が混在しています。

 

ストレスがかかると混乱しやすい

とも言えますね。

 

養育者がきちんと世話をしてくれる

こともあれば、

してくれないこともある。

 

養育者が危険と安心、両方の源になっている。

 

子どもにとって、すごく混乱しますね。

 

こうした子どもたちは

親役割を取って、親の世話をしていることも

あります。

 

子どもとして存在することが難しく

親役割をする方が安全だと

感じるのかもしれません。

 

 

5.健全な愛着を取り戻す3つのポイント

 

①神経系の視点を活用

愛着障害の生きづらさを抱えるとは

つまり、発達性トラウマを抱えることに

他なりません。

 

発達性トラウマというのは

受胎から18歳くらいまでの間

 

要は、子ども時代に積み重なったトラウマ

ということです。

 

トラウマの理解にはポリヴェーガル理論が

とても役に立つと思います。

 

ここでは理論の説明は省きますが、

生きづらさという現象を

 

身体に起こることから

知ることができます。

 

 

②パーツたちを知る

 

パーツというのは、要は

心の中の家族みたいなものです。

 

私たちは、色んな部分と共に

生きているのです。

 

人の期待に応えなければ愛されないと

思い込んでいる部分。

 

さみしさを感じると何か食べずには

いられない部分。

 

深い感情がわ~っと溢れてこないように

忙しく働く部分。

 

 

…自分の中にはどういったパーツが

存在しているのか。

 

気付いてケアする必要があります。

 

 

あ、パーツに出会っても

彼らは決して悪者ではないので

やっつけようとしないでくださいね(笑)。

 

 

③セルフ・ケアを実践する

 

セルフ・ケアに正しい唯一のやり方は

特にありません。

 

それよりも、あなたに合ったものか

どうかが大切ですね。

 

 

まずは、ある程度、

健康的な食事を摂れているか

十分な睡眠はとれているか

適度に運動しているか

 

そうした日々の積み重ねも

結構、重要になってきます。

 

栄養やカロリーというのは

成人なら一日どれくらいとか

よく耳にしますよね。

 

でも、私たちは皆、

身長、体重、性別、

どんな仕事や生活をしているか

スポーツをするかどうか

皆、それぞれ違っています。

 

 

そうしたベーシックな部分が

もし全然整っていなかったら

色んなことをやっても、あまり

効果的と言えないのではないかと思います。

 

 

その上で、瞑想を取り入れたり

リソースを実践したり

パーツのケアをしていく。

 

できることは沢山あります。

 

もちろん、カウンセリングやセラピーを

活用することも一つです。

 

時間もかかるところはありますが、

いつからでも始めてみるのが

いいですね。