ポリヴェーガル理論がトラウマ解放に不可欠な理由とは?

ポリヴェーガル?

 

ポリ=「多くの」

ヴェーガル=「迷走神経の」

 

という意味だそうです。

 

 

米国人スティーブン・W・ポージェス博士によって

1994年に提唱されました。

 

 

日本語では「多重迷走神経理論」と呼ばれます。

 

 

漢字がたくさん!笑

 

 

どこかで耳にされたことがある方も

いらっしゃるかもしれません。

 

 

この理論は、

神経系はこうやって働いています!

という理論。

 

 

神経系は、私たち人間が生きるために

常に、最善のことをやっている…らしい(笑)。

 

 

脳とカラダの各器官との間で

連絡を取りながら…。

 

 

だから、

脳と身体のコミュニケーション

についての理論とも言えるでしょうか。

 

 

そうです!

 

 

脳とカラダはお互いに

コミュニケーションを取っている。

 

 

当たり前のような

そうでないような…。

 

 

専門的で、複雑過ぎる話は横に置いて

分かりやすく説明していきます。

 

 

 

 

3つのシステム

 

ポリヴェーガル理論をシンプルに説明すると、

 

人の神経系には3つのシステムがある!

 

 

 

それは、

 

 

①闘争・逃走反応

②社会的交流

③フリーズ

 

 

の3つです。

 

 

以上!!

 

 

…と、言いたいところですが笑

 

 

具体的にお伝えすると、

 

 

①不安、怒り、パニック

②穏やかでリラックス

③無気力、うつ、解離

 

 

ということです。

 

 

①は、交感神経が優位な状態。

②は、副交感神経の「腹側」迷走神経。

③は、副交感神経の「背側」迷走神経。

 

 

またまた、漢字がたくさん!笑

 

 

要は、副交感神経には2種類あって、

②と③は別の種類の副交感神経の働きが

かかわっている。

 

 

穏やかな方、②は「腹側」。

無気力な方、③は「背側」。

 

 

お腹と背中で違うんです。

 

 

 

より具体的な流れで見ていくと…

 

 

普段、私たちがリラックスして

人と関われている時は

カラダが②の状態でいる時です。

 

 

でも、緊張したり、嫌なことが起きたり、

生きていたら日々色んなことが

ありますよね。

 

 

人が危険やストレスを「感知」した時、

まず、交感神経が活性化する。

 

 

つまり、

①の闘争・逃走反応が起こります。

 

 

筋肉が緊張し、呼吸が速くなり、血圧が上がる…。

 

 

一早く、危険から逃れられるように

身体が動けるようにしてくれるのです。

 

パニックもここです。

 

「過覚醒」と呼ばれます。

 

 

 

そして、ポリヴェーガル理論では

私たちのカラダが

この①だけでは対処できない時

 

 

フリーズ反応を起こす

と発見したのです。

 

 

呼吸は浅くなり、麻痺が起こります。

 

感じられない、離人感、解離もここです。

 

「低覚醒」と呼びます。

 

「生存する」ということが目的となり、

できるだけエネルギーを温存します。

 

 

①闘争・逃走反応

②社会的交流

③フリーズ

 

この3つのシステムを行き来しながら

人は生きているのです。

 

 

何が起きたかという出来事ではなく、

それに「どう反応したか」が大切。

 

”トラウマは、出来事の中にあるのではなく、

神経系の中にある。”

by Peter Levine

 

 

これは、トラウマ臨床の中で

よく目に、耳にする言葉です。

 

私は、初めこの言葉に反抗していました。

 

ええ、思春期の子のように笑。

 

 

 

だって、より大変な体験をした人ほど

その影響をたくさん受けるに決まっている

ではないか!

 

 

…そんな風に。単純に。

 

 

これも、全てが間違いという訳では

ないんだと思います。

 

 

けれど、例えば、分かりやすく

極端な例を上げてみますね。

 

 

小学生のAさん、Bさんがいるとします。

 

愛情豊かな家庭で育つAさん。

虐待されているBさん。

 

ある日、二人が交通事故に遭いました。

 

どちらの事故も似たような状況で

幸い、AさんBさんに怪我はなく、無事でした。

 

事故の後、

Aさんは以前と同じように登校し

友達との関係や学業にも戻ることができました。

 

けれども、Bさんは

次第に身体の不調を訴えるようになり、

学校にもほとんど行けなくなってしまいました…

 

 

 

 

極端な例かもしれませんが、

何を言いたいかというと

 

人は一人一人、反応が違う!

 

ということです。

 

 

言い換えれば、

 

人は一人一人、神経系の反応が違う!

 

ということです。

 

 

私たちは皆、産まれる前から

からだ、神経系という土台を育まれながら

この人生を生きています。

 

 

一人一人、神経系は違うのです。

 

 

 

思えば、私たちは違うことだらけ。

 

性別、身長、体重、体格、体質、

好きな食べ物、人種、文化、信仰…

 

 

 

どんなことに対して、どんな反応を示すのか

全ての人が違う!

 

 

人がたくさんいる場所で、安心を感じる人もいれば

全く逆に、落ち着かなくて疲れ切ってしまう人も

いる訳です。

 

 

ポージェス博士は、このこと、つまり

環境に対して神経系の解釈で反応する過程を

ニューロセプション」と名付けています。

 

 

これが、トラウマをみる上で、

というか、人をみる上で

非常に重要なことなのです。

 

 

 

問題行動の捉え方が180度変わる!

 

先ほど挙げたAさんBさんの例。

 

Aさんを不登校児として

学校に行かないことを「問題行動」だと

呼べるでしょうか?

 

ということです。

 

 

でも、同じようなことが

たくさん起こっていますよね。

 

 

親が毎日ケンカばかりしている。

子どもに否定、侮辱、蔑む、不安を煽る…。

言葉や気持ちの交流がない。

誰かがいつも我慢ばかりしている。

家の中に、安全を感じられない。

 

 

子ども達の神経系は、過敏になって当たり前です。

 

 

そして、神経系はこれ以上耐えられなくなると

フリーズという生存戦略を取ります。

 

 

人とかかわることに不安や緊張が強い。

いつも自信がなく、おどおどしている。

自分の気持ちよりも、他人の顔色を窺う。

疲れやすく、不調を抱えやすい。

覇気がなく、いつもぼんやりしている。

 

 

もちろん、大人も同じです。

 

 

生産性や効率性の追求に偏った価値観ばかり

重視する組織風土や、

ハラスメントが横行する労働環境。

 

 

色んな精神的な不調、症状…etc

 

 

これらを、神経系の観点から見てみると

身体は生存を最優先に選択している

ということなのです。

 

 

生き残るために、私たちのカラダは

私たちの意志を越えたところで

命を守っているのです。

 

 

これって、すごいことではないでしょうか?

 

 

つまり、神経系の側、身体の側から言えば

パニックも、うつも、

適応的な反応を取ることに成功したぜ!

 

ということになります。

 

 

 

何より「安全」と感じているかどうか!

 

何に対して、どんな反応をするかが

一人、一人違っている。

 

だから、あなたが今、どんな状態でいるか?

どう感じているのか?

ということが大切になってきます。

 

 

これを読んでいて、

安全を感じているのか?

 

 

あるいは、意味が分からないな~、

もっと、分かりやすく書けないのか!と

怒っているのか(笑)、

 

 

なんだか責められている気がすると、

脅威に感じているのか…。

 

 

つまり、

「安全」と感じるというのは

単純に危険がない状態ではないと

いうことです。

 

 

ポリヴェーガル理論では

「安全」と感じていること

 

つまり、私たちのニューロセプションが

「安全である」と感じていることで

 

人は、健康、成長、回復に向かうことが

できると言っています。

 

 

 

ですから、セラピーやカウンセリングの場でも

あなたがまず、安全だと感じられているかどうか

 

これが、非常に重要になってきます。

 

 

これは、もちろん

心理的な治療の場に限った話では

決して、ありません。

 

 

教育の場で、医療を受ける時、働く環境で、

人と交流する時…

 

 

どんな場であったとしても、です。

 

 

 

身体では、どう感じていますか?

 

実際のセラピーでは、

神経系の状態を身体感覚から

見ていく、ということをします。

 

上半身が固まる感じ。

頭が熱い感じ。

肩こりがある。

心臓がドキドキする。

すっきりして軽い感じ。

パッと明るくなる感じ。

 

 

身体感覚は時として

非常に捉えづらいものでも

あります。

 

 

どちらかと言えば、私たちは

自らの身体感覚に気付かないように

あるいは、それらを抑えるように

教えられてきたと言えます。

 

 

大脳新皮質による思考の方に

重きを置いてきた歴史が長いのです。

 

 

今、自分は身体で何を感じているか?

 

 

そんなこと、日々、意識してる子どもとか

まず、いないですよね(笑)。

 

 

でも、瞑想の効果が認知されているように

マインドフルネスとかでも

身体感覚に気付きを向けるというのを

やりますね。

 

 

 

 

 

また、感じられない、ということも

自然と起こります。

 

 

理由はいろいろあると思います。

 

食べている物、

睡眠の状態、

忙し過ぎるとか、

考え過ぎているとか…

 

 

幼少期に虐待を受けていたり

トラウマがある。

 

そうした場合にもあります。

 

 

その場合は、決して、急がなくてもいいのです。

 

丁寧に準備をして、ゆっくりと

働きかけていくことが大切です。

 

 

だから、トラウマに働きかける過程というのは

非常に地味なものです。

 

 

まとめ

 

ポリヴェーガル理論には

3つのシステムがある。

 

①闘争・逃走反応

②社会的交流

③フリーズ

 

それぞれに、良い悪いというのはなく

人の意志とは関係なく、

生存戦略として起こる。

 

一人、一人、反応の仕方が違っている。

 

何より、あなたが「安全」と

感じていることが大切。