インナーチャイルドという言葉は
かなり認知されていますね。
チャイルドは
過去の悲しみや痛みを今も抱えていて
それを癒す。
チャイルドの重荷を下ろすことによって
悩みや症状が解消していく。
このように捉えられていると思います。
ただ、辛い体験から生まれたインナーチャイルド
ばかりではありません。
私たちは色んなチャイルドと共に
生きているものです。
元気なチャイルド、
甘えん坊のチャイルド、
おちゃらけるチャイルド…
職場では顔を出さないかもですが、
どうでしょうか?
こうしたチャイルド達を
探してみるのもいいかもしれません。
ここでは、
インナーチャイルドが傷ついている
5つのサインについてお伝えしていきます。
①反応しやすい
刺激に対して反応しやすい
ということです。
トリガーされた、と
言い換えてもいいです。
例えば、人と会話をしていて、
相手の言葉とか何らかのことに
「瞬間的に」反応します。
一呼吸置くとか、一旦落ち着くとかできないので
早急に結論づけるかもしれません。
会話が壊滅的な方へ行くことも
あるかもしれません。
突然、怒り出したとか
暴言を吐いていたけれど
何を言ったのか覚えていない。
こういった場合は
傷ついたチャイルドが刺激されて
反応していることがありそうです。
②人との距離感
人に近過ぎたり、遠過ぎたりして
ちょうど良い距離感をつかみづらいのです。
初対面の人に、自分の全てを話したり
逆に、何もシェアしない。
人から誤解されたり、人とうまくやれない。
職場で、恋愛で、夫婦で、親子で…。
色んな人間関係の中で現れてきます。
自分は親しくなりたいと思っているけれど
周囲からは冷たいと思われる。
近寄ってこられると、何故かいつも
窮屈でぎこちなくなってしまう。
警戒感とか、恐怖感とか
色々ありそうですよね。
親子関係の中で作られてきたスタイルが
どのような感じだったのか
つまり、愛着スタイルによっても
影響されます。
③依存
お酒、仕事、食、恋愛、性、ギャンブル…
何に依存するのかは、本当に様々です。
単に、お酒が好きだから飲むという
ことではないですね。
過去のトラウマにまつわる強烈な感情。
これを感じたくないからです。
自分を麻痺させるということです。
お酒だけではありません。
ワーカホリックというのもありますね。
これまでの、というか、今もまだ
この資本主義システムにおいては
社会的に高く評価されるものでしょうか。
一見、仕事で成功して幸せそうに見えるのですが
理屈ばかり、効率性ばかりで
遊び心みたいなものが感じられない。
成功ということとは裏腹に
人生に対する満足感や幸福感が少なく
焦りや不安が高いということもあります。
そして、身体をガチガチに固めている。
けれど、そうして
抑えたり、切り離したりしたものは
無くならずに身体に留まり続けます。
④自己調整不全
ストレスを感じる物事に出会うと
どうしますか?
誰かに話を聞いてもらう
音楽を聴いて気持ちを落ち着ける
趣味に没頭する
運動する
人それぞれですが、色々なやり方で
不安や焦りに対処したり
落ち込んだ気持ちをなだめたりします。
1人でできることもあれば
誰か信頼できる相手とできることも
ありますよね。
この時、私たちの神経系は調整されて
いるのです。
イライラでいっぱいの時、
心配や不安に囚われている時、
交感神経が活性化しています。
けれど、上のような対処を取ることで
副交感神経の腹側迷走神経系が働いてくれます。
そして、気持ちが落ち着いたり
また心身に活力を感じることができる。
だからこそ、また、次のチャレンジができたり
自分の成長に向かうことができますよね。
簡単に言えば、
チャイルドの傷つきを抱えるということは
この神経系の調整がうまく行えなくなる
ということでもあるのです。
チャイルドの神経系は
過覚醒になったり、そこから
急降下して低覚醒になったり、
とても生きづらい神経系なのです。
神経系については
ポリヴェーガル理論についての
記事が参考になります。
⑤話せない
話そうとしても話せない。
言葉に詰まる。
うっと固まる。
通常の記憶でそうなることは
ありません。
例えば、昨日の夕ご飯は何だったとか。
もちろん、昨日何を食べたのかなんて
すっかり忘れてしまうこともありますが(笑)。
でも、そういうことではなくて
プロセスされていないトラウマ記憶は
うまく言葉にならないです。
話そうとすると、頭痛が始まるという
場合もあります。
こういった場合は、もちろん
無理に話さなくてもいいです。
「インナーチャイルドを癒しましょう!」が危険な理由
最後に、インナーチャイルドの傷つきを
癒すポイントについてお伝えします。
もちろん、カウンセリングやセラピーは
その一つです。
ただ、初回セッションから
では、インナーチャイルドを癒して
いきましょう!
ということは、ありません(笑)。
こうしたアプローチによって
その後、不安や恐怖があふれ出したり
不調が続いたという経験のある人は
実は、少なくありません。
これを、「再トラウマ化」といいます。
私も時々、クライエントの方が
こうしたアプローチで苦しかったと
耳にすることがあります。
比較的、健康な方であったとしても
後で不調が出る場合があります。
過去に虐待を受けていた、とか
トラウマ反応が出ている方であれば
尚更です。
しっかりと準備をしたうえで
解放していくのが安全ですし、
解放の深みや味わいが違ってきます。