怒りを爆発させてしまう
いつも不安がつきまとう
こうした強烈な感情や
慢性的な感情は
本当に不快ですよね。
怒りをまき散らした後は
「なぜ、あんなことを口走ってしまったのだろう?」
「自分はどうしてこうなんだろう?」
後悔と自己嫌悪
それから
恥ずかしさを感じることも
あるでしょう。
あるいは
不安な状態が続くことだって
パフォーマンスが落ちるし
大切な相手との関係が崩れてしまう。
こうしたことが起こっていたら
その感情は
過去のトラウマに関連したもの
だと考えられます。
(具体的な対処法は、
記事の後半へスクロールしてください。)
オランダ出身の精神科医
ベッセル・ヴァン・デア・コーク博士は
著書『身体はトラウマを記憶する』の中で
私たちの脳とからだは
トラウマを記憶しており、
たとえ何十年経過した後でも
引き金を引かれると
過去を再体験する
と書いています。
簡単に言えば
過去のトラウマによって
それを覚えている、いないにかかわらず
引き金を引かれることによって
脳の「気をつけなさいよ!」というアラームが
実際の危険がなくても鳴りまくる。
…そういうことです。
大抵の場合、人は
無意識のうちに引き金を引かれます。
脳でアラームが鳴ると
自動的に身体の反応が生じます。
例えば
心臓がドキドキしたり
血圧が上がったり
筋肉が緊張したりします。
そうして、ほとんどの人は
「目の前の子ども、夫、上司…etcが
自分を怒らせる(不安にさせる、不快にさせるetc)」
と考えます。
決して、誰も
「引き金を引かれて
トラウマの再体験が起きている」
とは思いませんよね。
でも、それはトラウマの再体験。
過去に未解消のままになった感情や
からだの反応が起きています。
また、ストレスホルモンも放出されます。
大きな反応もあれば
小さめの反応もあります。
そして、それは
改善していくことが可能なものです。
対処法を一つ
ご紹介しますね。
Step1 引き金を引かれていることに気付く
Step2 身体の感覚に、ただ気付く
Step3 自分への思いやりを感じる
一つずつ、説明していきますね。
Step1 引き金を引かれていることに気付く
これが一番、重要とも言えますが、
一番、難しいとも言えます。
「自分は今、引き金を引かれている」
頭でそう思う前に
身体は素早く反応するからです。
でも、ここが変わると
その後の流れも変わっていきます。
Step2 身体の感覚に、ただ気付く
引き金を引かれた状態であることに
気付くことができたら、
身体の感覚がどうか?
に、ただ意識を向けてみます。
感情にフォーカスするのではなく、
身体がどうかに気付きを向けます。
例えば、
呼吸が速くなっている
お腹が重たい感じ
胸のあたりが締め付けられる感じ
頭が熱い
腕が震えている…etc
ただ、その感覚と共にいます。
「はやく落ち着け」とか
「自分にはできない」とか
いろんな思考が出て来たら、
また、身体の方へ意識を戻します。
この時点で
ホンのちょっとでも落ち着けたら
大成功!
そう捉えてみてください。
さらに、
そのちょっと落ち着いた感じと共に
しばらく一緒に居てみましょう。
Step3 自分への思いやりを感じる
落ち着いてきたら
自分自身に思いやりの感情を
向けてみましょう。
引き金を引かれたのは
あなたの身体が本能を発揮して
あなたを守ろうとしている証拠です。
思いやり、と言われても…と
戸惑う人もいるかもしれません。
何となくでもいいですし、
守ろうとしてくれているシステムが
あるんだな~
と、ただ思うというのも
いいかもしれませんね。
Step1~Step3を通して、
日常生活のスピードよりも
かなりゆっくり時間を取る感覚でやるのが
いいと思います。
いかがでしたか?
この方法が合うと感じる人もいれば
そうでない人もいると思います。
もしも、
パートナーや家族が
あなたのトラウマ反応について
理解・協力してくれる場合は
大きなリソース(資源)になります!
もちろん、そうでない場合は
セラピストに頼ることもできます。
また、具体的な状況に合わせて
調整が必要な場合もありますね。
もしも、引き金を引かれた時点で
この3Stepが出来なくても
後で落ち着いてから
思い出して書き出してみる
というのも良いかもしれません。
そうすることで
次から実行しやすくなるのでは
ないでしょうか?
実行しようとすると
大変だなと実感されるかもしれませんね。
でも、それも自然なことです。
あなたが悪いのではありません。
だって、私たち人間は
そういう風にできているからです。
最後に、
もしも途中で気分が悪くなったりしたら
決して無理をせず
できるだけ、ゆったりと過ごしてくださいね。