考え方を変える、カンタンでない理由

人とうまくかかわれない

自分に自信が持てない

常に不安や心配がつきまとう

 

 

こうした生きづらさを抱えている人は

 

同時に

 

 

「変わりたい」

 

 

その思いもしっかりと持って

自分を変えるために

ものすごく頑張っています。

 

 

本を読む

ネット情報を検索する

 

場合によっては

数百、数千冊の本を読んだという人もいます。

 

 

心理学やいろいろな知識が得られると

 

その瞬間はドーパミンの働きもあって

充実感や満足感を感じるものです。

 

 

けれど

 

それまでと同じ行動パターンや

嫌な感情に苛まれる時が

またやってきて

 

 

「結局、何も変わっていない」

「こんなに努力しているのに…」

 

と、落ち込む。

 

 

そして、また、新たな知識を探す…

 

というスパイラルを

経験した人も多いのではないでしょうか?

 

 

けれど、実は、知識を得ることで

本当の変化を起こすことはできません。

 

 

特に、子ども時代に

虐待や不適切な養育(マルトリートメント)などの

体験がある場合はなおさらです。

 

 

いや、自分は決して

深刻な虐待なんて受けていない…

 

 

そう言いたくなる方も多い

かもしれませんね。

 

 

もし、そうだとしても、

 

あなたが不快な気分にさせられたり

常に緊張して、頑張っている状態だったり

我慢ばかりを強いられていたり

不安や孤独が何カ月も何年も続いたり

 

 

…ここには書ききれませんが、

 

こうした体験は

それが、

たとえずっと過去のことであったとしても

 

 

あなたの「身体のシステム」

 

あなたを生きづらくさせるクセを

作っていくことが分かっています。

 

 

 

この「身体のシステム」とは

脳と自律神経の働きのことです。

 

 

ごく簡単に説明してみますね。

 

 

私たちの脳は、大きく三つの構造に

分けられます。

 

 

思考や理性を司る大脳新皮質

感情を司る大脳辺縁系

生命維持を担う脳幹

 

 

三つ目の脳幹は、

自律神経と深く関係しています。

 

上に挙げた子ども時代の体験は

自律神経のクセとして残っていきます。

 

 

そして、日常生活のあらゆる事を

引き金として

 

私たちの反応が自動的に

引き起こされてしまうのです。

 

 

反応が引き起こされたら

 

感情のコントロールがきかなくなって

怒りに支配されてしまったり

 

どうしようもなく不安にかられて

冷静な考えや行動ができなくなるとか

 

色々なことが起こります。

 

 

 

つまり、

 

 

知識を得たり、

考え方を変えることは、

 

一つ目の新皮質の部分へはアプローチできますが、

 

より重要な残り二つの部分は

置き去りにされてしまうことになります。

 

 

だから、例えば

怒りに関する本を読んでみて

 

「次からはゼッタイにケンカしない!」

 

と、心に決めたとしても

 

 

日常生活の何らかの刺激に

無意識に反応してしまうので、

 

怒りの感情がワ~ッと出てきて

 

同時に、呼吸が速くなって

手が震えだしたりして

 

また同じケンカになって

人間関係を損傷してしまうのです。

 

 

後で、冷静になって振り返ってみると

何を口走ったのかよく思い出せないとか、

 

相手が言ってもいないことを

「ゼッタイ言った!」

 

言われたように思い込む。

 

 

そうしたことも

あるかもしれませんね。

 

 

 

不安やイライラ、怒りなどが

頻繁に継続すると、

 

不眠やうつなどが出ていることも

あるかもしれません。

 

 

ただ、それは

私たちの「身体のシステム」が

自動反応を起こしただけのこと。

 

 

決して、あなたが酷い人間だからとか

弱いからとか

 

ダメな人間だから起こっている訳では

ありません。

 

 

 

ただ、こうした理由から

考え方を変えるだけでは

行動まで変わることはとても難しいのです。

 

 

 

では、どうしたらいいのか?

 

 

 

 

それは

残りの二つの部分、

感情と自律神経にもアプローチすることです。

 

 

そのための最大のヒントを教えてくれるのは

私たちの「からだ」です。

 

 

あなたの感情も

自律神経の状態も

 

あなたのからだに現れてきます。

 

 

怒りを感じると

心臓がドキドキしたり

頭が熱く感じたり…

 

 

あるいは

 

ホッとしたら涙が出てくる…

 

 

 

セッションの中で

「からだの感覚に気づいてみる」ことで

思いがけない発見があったり

 

最終的に「考え」が変わることがあります。

 

 

 

変えたい「考え」に真っ向から挑戦するのではなく

真実を知っているからだの声に

じっくりと耳を傾けてみる

 

 

そうすることで

本当の変化に辿り着けるといいですね。